
遺産分割協議の基本
遺産分割協議は、相続人に遺言書が無い場合、相続人全員で相続について協議し、土地や預貯金などの相続財産をどのように分配するかを正式に決定する手続きです。
相続人全員で協議した内容は、遺産分割協議書という書面を作成して、協議内容を明確化し、後日、紛争が起こらないようにします。
なお、遺産分割協議では、法定相続分どおりに分けるだけでなく、特定の相続人だけが相続財産を取得したり、誰がどの相続財産を取得するかなど、相続の取得内容を協議することができます。
遺産分割協議では、多様な希望を公平に調整するための話し合いが重要で、協議内容を整理して、相続人全員で書面を作成します。
その後、銀行預金の相続手続や、不動産の相続手続きでは、遺産分割協議書を使用します。
遺産分割協議の参加者と注意点
遺産分割協議にはすべての相続人が参加しなければなりません。
特に、未成年者や判断能力が不足している高齢者が含まれる場合は注意が必要で、これらの方の利益を守るため、法定代理人や成年後見人が必要となる場合があります。
また、亡くなった被相続人が、祖父母、曽祖父母、兄弟姉妹である場合や、遺産分割協議に参加する相続人がすでに亡くなって数次相続が発生している場合は、戸籍収集の段階で、遺産分割協議に参加する相続人の調査を専門家に依頼する方がよいでしょう。
参加していない相続人がいたり、適切な代理人が関与しないまま遺産分割協議を進めると、遺産分割協議が無効となる可能性があります。
主な留意点は以下のとおりです。
- 相続人の正確な調査と確認
- 未成年者や判断能力が低下した方の代理手続き
- 全員が納得できる協議内容の検討
遺産分割協議書作成のポイントと注意点
遺産分割協議の結果は、法律効果を持つ遺産分割協議書にまとめます。
内容や形式を誤ると無効になる可能性があるため、注意が求められます。特に合意事項が曖昧だったり、全員の署名・押印が揃っていない場合は、金融機関や法務局の手続きが止まる恐れがあります。
特に、以下の点を事前に確認し、適切に遺産分割協議書を作成していきます。
- 被相続人の内容や、日付など形式要件を厳守する
- 各財産の内容と取得者を具体的に記載する
- 全ての相続人の実印および署名を正しく押す
さらに、親族間で同意が得られていても、文章化が不十分だと後々争いが生じる場合があり、適切な文章で記載する必要があります。
遺産分割協議書の作成と専門家のサポート
遺産分割協議の内容は、遺産分割協議書として書面化します。この遺産分割協議書が不備のまま作成されると、その後の手続きが実行できなくなる場合があります。
記載方法の誤りや署名捺印の不備は、協議内容が無効となる恐れもあります。
司法書士は、相続人の希望を正しく反映し、法的に有効な形で遺産分割協議書を作成するサポートを行います。
また、手続きが複雑な事案でも、相続の専門家である司法書士は、遺産部活協議書の作成のほか、銀行預金の相続手続き、相続不動産の名義変更登記手続き、株式の相続手続き、生命保険手続きなどを、スムーズに対応できる体制を整えています。
専門家を活用すると、不要なトラブルを未然に防ぎ、安心して相続手続きを進めることができます。
些細な不備が後の大きな問題にならないよう、早めに司法書士の相談をご検討ください。